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TALKSESSION
理論と研究が
ビジネスを創る瞬間

トップレベルの理系学生が集うエンジニア・インターンの全貌

就活やアルバイトをする時間も取りにくいといわれるほど研究に忙しい理系学生 。そんな理系大学生、大学院生が、ソネット・メディア・ネットワークス(以下 、SMN)にこぞって集まり、ソニー出身エンジニアをはじめ、トップレベルのエンジニアチームの中で次々と高い成果を上でている。

GoogleやFacebookの収益の大半を占め、国内広告費においても既に2割以上を占めるまで成長を続けるネット広告市場において、最新の科学とビジネスはどう出会い、インターンに参加する学生はいかに成長したのか、その全貌を聞いた。

プロフィール

舘野啓(タテノ・ケイ)
a.ilab.シニアリサーチャー
東京大学大学院情報工学専攻修了。2000年ソニー株式会社入社 。FeliCa事業の開発を3年担当した後、シスデム技術研究所に異動。機械学習やデキストマイニング技術の研究開発に従事。2014年にソネット・メディア・ネットワークスに参画。広告配信プラットフォームの高機能化・高効率化の研究開発と、新規事業の立ち上げに携わる。
舘野啓
関野正志(セキノ・マサシ)
a.ilab.シニアアルゴリズムリサーチャー
東京工業大学知能シスデム科学専攻修了。2009年ソニー株式会社入社。システム技術研究所にてリコメンデーション技術の研究開発に従事。2010年、情報論的学習理論ワークショップにて 、新たなアルゴリズムを発表。2016年ソネット・メディア・ネットワークスに参画し、広告配信のアルゴリズムを世界最高峰に導くべく、日々数式と格闘している。
関野正志
坂田隼人(サカタ・ハヤト)
a.ilab.データサイエンディスト
東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻修了。Bioinformaticsを研究する傍ら、東日本大震災ビッグデータワークショップで避難行動に関する分析発表等も行う。ソネット・ メディア・ネットワークスに出会い、アカデミックからビジネスの道へ。現在は、新しい広告配信ロジックや購買動機を明らかにする技術の研究開発を担う。
坂田隼人
吉田岳人(ヨシダ・タケト)
インターン
東京大学大学院情報工学系研究科修士1年。航空宇宙工学から、よりソフトウェアに近い領域を学ぶべく専攻を変更。インターンでは、リコメンデーションアルゴリズムの基礎研究開発と性能評価を担当。
吉田岳人
栗田啓大(クリタ・ケイタ)
インターン
東京大学情報理工学系研究科4年。位置情報データを利用した新機能の技術検証、デキストマイニングによるユーザの特徴情報抽出と可視化の2つに取り組む。
栗田啓大
中原健一(ナカハラ・ケンイチ)
インターン
東京大学大学院知能機械情報学専攻修士1年。a.ilabインターン2年目。広告入札ロジックの基礎理論検証と改善、広告配信実績のデータ分析業務に加え、新規事業向けWebアプリケーションのプロトタイプ開発にも携わる。
中原健一

入社から2ヵ月で作ったアルゴリズムを、IBIS2016で発表

坂田

「企業の研究開発」って聞くと、実用化までは長い道のりって思いますよね。でも、SMNでは、インターネット広告を配信・表示するための独自アルゴリズムを研究し、実際のビジネスに応用するところまでを早いスピードで開発に取り組んでいます。

舘野

実際に最新の論文を日々読んで研究をすることと、目の前のビジネスが直結しているっていうと分かりやすいかもしれない。だからこそ理系の学生にとって、絶対に面白い環境なはずです。

坂田

今も、ちょうど新しいアルゴリズムを導入に向けてデスト中ですよ。あれ、これまだ秘密でしたっけ?

舘野

2017年の秋くらいにはリリースしようと思っているので、このインタビューを皆さんが読む頃には大丈夫です(笑)。最新の論文が数ヵ月後にはプロダクトに反映されていく、そんなスピード感です。

関野

理系大学院生は、企業に入社すると研究所に入らない限り、研究はできないって思っていると思うんです。でも、僕は2016年の9月に中途入社してから2ヵ月後にはIBIS(情報論的学習理論ワークショップ、機械学習関連の学際理論フォーラム)で「経験ベイズ木」というタイトルで発表もさせてもらってます。

坂田

レコメンドの精度を上げるにはパラメータ数を増やしてチューニングすればいいんですけど、決定木のノードを決めるためには試行錯誤する必要があるので、プロセスを最適化したとしても結構計算に時間がかかってしまう。だったら、もうパラメータを全部なくして、パラメータフリーにしちゃおう!っていう大胆な考え方ですよね。

関野

そこで、ベイズ理論の登場です。決定木のノードを試行錯誤して見つけるのではなく、ノードの出力そのものを事前に確率分布でモデル化して、周辺尤度を基準に決定木をどんどん分割していくアルゴリズムにしました。要は、決定木とベイズ理論を組み合わせることで、圧倒的に早い決定木のアルゴリズムが作れたということです。事業の収益に貢献できるような開発と、自分自身が情熱を持って向き合える研究デーマに同時に向き合えるのがSMNの魅力だと思っています。

集合写真

ソニー出身のトップ技術者から学べるインターン環境

坂田

難易度の高いアルゴリズムを、ゼロからフルスクラッチで作れる技術者がいるのが、私たちの強いところ。優秀な理系のインターン生から見てもかなり手ごわい先輩方が揃っているんじゃないかと思います。

中原

本当に技術力の高い社員さんにアドバイスをもらいながら仕事ができるし、普通はなかなか扱えないようなビッグデータをインターン生であっても自由に触れる環境があって、最初は驚きました。

関野

インターン生でも広告配信周りの実際のビッグデータを使って研究開発ができる。いわば宝の山ですよ。

中原

結果を出そうと必死でビッグデータと格闘しているうちに、いつの間にか社会人レベルの力が身についた感じがします。

栗田

僕はインターンを始めた頃は、計算に1ヵ月以上かかる処理を平気で実行しようとしたりしていました(笑)。

坂田

インターン生は、最初、勉強したことをそのままやろうとしちゃう場合も当然多いよね。でも、学んで分かることと、やってみて分かることは違う。だからこそ失敗を通じて成長するプロセスを社員がサポートしています。

栗田

そんな僕も今では複雑なSQLを書けるようになり、適切なデータの前処理・後処理も行えるようになってきました。本には書いていない、現場の仕事でないと身につかない力がついてきた実感があります。

インターンとして仕事をすることで、勉強の意味が変わる

栗田

インターンで大学の勉強が疎かになるのでは?と心配する人もいると思うのですが、僕は意外にも普段の大学での勉強に、昔より身が入るようになりました。仕事を通じて、授業中に扱われる基礎的な理論がどのように将来役立つかをイメージできるようになったのが大きいですね。

舘野

インターンメンバーには、「ビジネスに対するインパクトは不確実でも、きっと何かあるに違いない」といった可能性を感じている部分に優先して関わってもらっています。ひとりひとりが課題自体を探索できるインターンでの仕事を通じて、大学での研究にもいい刺激を与えられるといいなと思いますね。

吉田

自分も、この前、新しいレコメンドアルゴリズムの性能評価をしたんですが、思ったような結果が出なくて、試行錯誤を続けています。自分でアイデアを出していかなきゃいけないのがインターンの面白さでもあるし、この仕事を通じて、課題を見つけ、解決方法を考えていく力をつけていきたいと思っています。

理論がビジネスになる瞬間に携わり、理系キャリアを考える

吉田

理系の研究が好きになれなくて文系就職しようと思っていたくらいなんですが、今は理系の専門性とビジネスのつながりを実感できて、エンジニアのキャリアも考えていきたいって思うようになりました。

中原

自分も、実際のビジネスに近いところで経験を積めた意味は大きいと思っています。今後は、自分の仕事がどれくらいのスピードで世の中に出るのかという軸でキャリアを考えていきたいですね。

栗田

僕は、エンジニアとしてプログラムを書く能力を高めていきながらも、機械学習や数理に明確な強みを持てるように成長したいと思っています。

舘野

インターン生の活躍を見ていても、SMNは科学や理論がビジネスに応用される瞬間に携わり、理系学生が将来のキャリアの可能性を広げられる、またとない環境だと思っています。相談でも構わないので、インターンへの挑戦をお待ちしています。